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オフィスへのAED設置、総務が買い取り・リースを決める前に確かめること

2026-10-27 AEDオフィス備品安全衛生リース契約稟議

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この記事を読むと、自社にAEDを置くかどうか、置くなら買い取りとリース(レンタル)のどちらにするかを、社内で説明できる形で決められます。判断の軸は本体価格ではありません。「消耗品の期限を誰が管理するか」「鍵を開けずに取り出せる場所に置けるか」「使える人が社内にいるか」の3点です。設置が法律で義務づけられている会社はごく限られるため、稟議は「要るか要らないか」から始まります。そこを金額だけで語ると、だいたい通りません。

設置義務はない会社が多い。だから稟議は「置く理由」から書く

AED(自動体外式除細動器。心臓が細かく震えて血液を送れなくなった状態に電気ショックを与える機器)は、一般の事務所に設置する法律上の義務が課されているわけではありません。学校や一部の施設では設置が広く進んでいますが、従業員数十人の会社に「置きなさい」と命じる条文があるわけではない、という前提で考えてください。

ここが稟議の難所です。義務でないものは、経営から「要るのか」と必ず聞かれます。金額の話から入ると「使う場面があるのか」で止まります。

説明に使えるのは、次のような自社で確認できる事実です。

  • 従業員の人数と年齢構成。中高年が増えている会社ほど、倒れる場面を想定する意味があります。
  • 夜間や休日に少人数で作業する時間帯があるか。人が少ないほど、救急車が来るまでの数分が重くなります。
  • 入居ビルの共用部や近隣施設にAEDがあるか。あるなら、そこまで取りに行って戻る時間を実際に歩いて測ります。往復で何分かかるかが、置くかどうかの一番わかりやすい材料になります。
  • 来客や取引先の出入りが多いか。自社の従業員だけの話ではなくなります。

稟議では「費用対効果」ではなく「救急車が到着するまでの数分を誰がつなぐか」という書き方をしたほうが、話が通りやすくなります。

買い取りとリース・レンタルの分かれ目は、消耗品を誰が持つか

AEDは高度管理医療機器にあたり、販売には許可が必要とされています。家電のように気軽に買う物ではなく、メーカーや代理店、レンタル事業者と契約して導入するのが一般的です。入手経路の選択肢は大きく2つです。

  • 買い取り。本体をおおよそ20万〜40万円程度で購入する例が多いとされます。所有者は自社になり、消耗品の手配も点検も自社で行います。
  • リース/レンタル。月額おおよそ3,000〜6,000円程度の例が紹介されています。契約期間は5年程度が多く見られます。

金額の単純比較だけで決めると、総額ではリースのほうが高く見えることがあります。それでもレンタルが選ばれるのは、消耗品の交換と期限管理が契約に含まれる場合があるからです。ここが実質的な分かれ目です。

見積を取るときは、次を必ず書面で確認してください。

  • 電極パッドとバッテリーの交換は料金に含まれるか、別請求か。
  • 期限が近づいたときに、事業者から通知が来るか。通知だけか、交換品の発送までか。
  • 実際に使用してパッドを消費した場合、その補充は無償か有償か。
  • 契約期間中の故障時に代替機が出るか、出るまで何日か。

「保守込み」という言葉の中身は事業者ごとに違います。言葉ではなく、含まれる項目を1つずつ潰してください。

本体価格に出てこない継続費用は、パッドとバッテリーです

AEDでいちばん見落とされるのが消耗品です。カタログの先頭に載るのは本体価格ですが、置いた後に発生し続けるのはこちらです。

  • 電極パッド(胸に貼るシール状の部品)。未使用でも使用期限があり、おおよそ2年前後で交換が必要になる製品が多いとされます。小児用パッドを別に備える場合は、その分も期限管理の対象になります。
  • バッテリー。機種により差がありますが、おおよそ数年ごとの交換が必要です。

つまり、買った年は本体代だけでも、2年目以降は数万円規模の交換費用が周期的に発生します。予算書に「初年度○○円」としか書かないと、翌々年に「聞いていない支出」が出て、経理ともめます。稟議には5年分の想定費用を並べてください。

そして、費用より厄介なのが期限管理です。よくあるのは、導入時の担当者が異動や退職でいなくなり、交換期限を誰も把握していない状態になることです。期限切れのパッドが貼られたAEDは、いざというときに動かない可能性があります。

対策は単純です。

  • 本体の見やすい位置に、パッドとバッテリーの交換期限を書いたラベルを貼る。
  • 備品台帳に型式・製造番号・交換期限を記載し、交換の2〜3か月前に社内カレンダーへ通知を入れる。
  • 担当者名ではなく「総務の設備担当」という役割で引き継ぐ。
  • インジケータ(正常表示のランプ)の目視点検を日常業務に組み込み、点検記録を残す。設置者には日常点検が求められています。

鍵のかかる部屋に置いたAEDは、使われません

置き場所の失敗は、費用の失敗より深刻です。高価な機器なので盗難を心配し、総務室の施錠できる棚や、管理部門の奥に置いてしまう例があります。これだと、倒れた人が出たときに鍵を探すところから始まります。

置き場所を決めるときに確かめる点は次のとおりです。

  • 社内のどこからでも、取りに行って戻るまで数分以内に収まるか。片道1分程度で届く配置が望ましいとされています。複数フロアなら、階段やエレベーターの待ち時間も数えてください。
  • 施錠された部屋、個人の机の下、書庫の奥に入っていないか。誰でも手が届く通路側、受付脇、エレベーターホールなどが基本です。
  • 夜間・休日に在館者がいるなら、その時間帯も取り出せるか。
  • 収納ボックスを使うか。扉を開けるとブザーが鳴るタイプは、盗難対策と「持ち出しに気づける」ことの両立になります。屋外設置は温度管理ができる専用ボックスが必要で、費用が一段上がります。
  • 場所を示す標識やステッカーを、設置場所と各フロアの目立つところに貼っているか。置いただけで周知していないと、存在を知らない社員が大半になります。

設置後は、日本救急医療財団の全国AEDマップへの登録もできます。社外の人が探せるようになるほか、自社の設置情報を記録として残す意味もあります。

使える人がいて初めて機器になる。講習と、使った後の手順

AEDは音声の案内に従って操作できるように作られていますが、初めて箱を開ける人がその場で落ち着いて使えるかは別の話です。置いただけで安心する状態を避けるには、人の側の準備が要ります。

  • 消防署などが実施する救命講習を、数名でよいので受講させる。受講者は各フロア・各シフトに散らしておくと、誰かが不在でも回ります。
  • 119番通報、AEDを取りに行く人、心臓マッサージをする人、という役割分担を、避難訓練と同じ枠で一度だけでも口に出して確認する。
  • 受講費用や勤務時間中の受講扱いを、稟議の段階で決めておく。「業務として受けてよいのか」が曖昧だと、誰も手を挙げません。

使った後にやることも、先に決めておきます。

  • 使用したら、電極パッドは必ず交換します。使い回しはできません。
  • メーカーまたは契約先に連絡し、点検と消耗品の補充を依頼します。機器に記録が残る機種もあり、医療機関から提出を求められる場合があります。
  • 社内では、誰がいつ使ったかを記録に残します。労災の可能性がある事案なら、その後の手続きにも関わります。

救命処置を行ったことで、善意で助けた人が責任を問われるのを心配する声は社内から必ず出ます。不安が出たら感情論で返さず、消防や自治体が公開している救命講習の資料を配るのが早道です。

契約終了・返却・廃棄で詰まるところ

継続契約は、入るときより終わるときに手間が出ます。AEDも同じです。

リース・レンタルの場合に確認する点です。

  • 契約期間の満了後、自動更新になるか。更新を止める場合の予告期限は何か月前か。
  • 中途解約ができるか、できる場合の清算金はどう計算されるか。
  • 返却時の送料、梱包、消耗品の扱い。期限切れのパッドを入れたまま返せるのか。
  • 事業所の移転や統廃合で設置場所が変わる場合、契約の変更が要るか。

買い取りの場合は、廃棄が問題になります。AEDは医療機器であり、内蔵のリチウム電池もあるため、通常の粗大ごみとして出せません。メーカーや販売店の回収の仕組みを使うのが一般的で、回収費用がかかることもあります。買う段階で「処分するときはどこへ出すのか」を販売店に聞いて、議事録か見積書に残しておくと、数年後に困りません。

もう一つ、入居ビルを退去するときの扱いです。壁に固定したボックスやスタンドは、原状回復の対象になる場合があります。設置工事を伴うなら、取り付け前に貸主か管理会社の確認を取ってください。

まとめると、やることは次の順です。1つ目に、ビル共用部の既存AEDまでの往復時間を実測する。2つ目に、買い取りとリースの見積を取り、消耗品の交換が含まれるかを書面で確かめる。3つ目に、5年分の費用と置き場所、点検担当の役割を稟議に書く。この順で進めれば、金額だけの議論にはなりません。

買う前に確かめること

  • ビル共用部や近隣の既存AEDまで、往復で何分かかるかを実測したか
  • 電極パッドとバッテリーの交換費用が、見積に5年分含まれているか
  • 使用後のパッド補充が無償か有償か、書面で確認したか
  • 夜間・休日に施錠されない場所に置けるか、鍵が要らないか確かめたか
  • 交換期限を備品台帳とカレンダーに登録し、役割として引き継ぐ形にしたか
  • リースの自動更新と解約予告期限、買い取りの廃棄方法を確認したか

候補になる分類

AED本体(買い取り/リース・レンタルが選べるもの)

目安:買い取り約20万〜40万円/レンタル月額約3,000〜6,000円

従業員数十人規模で、救急車到着までの数分を自社でつなぐ必要があると判断した会社向けです。消耗品の期限管理を自社で持てないなら、交換と通知が含まれるレンタル型のほうが現実的です。販売には許可が必要な医療機器のため、メーカーや代理店、レンタル事業者との契約で導入します。

これは申し込む形のサービスです。提携が決まりしだい、ここに申込先を載せます。

AED収納ボックス・壁掛けスタンド

目安:約5,000円〜3万円

施錠した棚にしまわず、通路側に置きたい会社向けです。扉を開けるとブザーが鳴るタイプなら、盗難対策と持ち出しへの気づきを両立できます。屋外に置く場合は温度管理ができる専用タイプが必要で、価格帯が上がります。

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AED設置表示の標識・誘導ステッカー

目安:約500円〜5,000円

設置したのに社員の大半が場所を知らない、という状態を防ぐための備品です。設置場所の壁、各フロアの入口、エレベーターホールに貼ります。数百円から買えるので、導入と同時にまとめて手当てするのが無駄がありません。

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よくある質問

入居しているビルの共用部にAEDがあります。自社でも置くべきですか。

まず、そこまで取りに行って戻る時間を実際に歩いて測ってください。往復で数分かかる、夜間や休日は共用部が施錠される、という条件なら自社設置を検討する意味があります。逆に同じフロアの目の前にあるなら、設置場所を全社員に周知するほうが先です。

リースと買い取り、結局どちらが安く済みますか。

5年程度の総額で比べると買い取りのほうが安く見えることがありますが、電極パッドやバッテリーの交換費用を自社で負担する前提での比較になります。消耗品の交換と期限の通知が含まれる契約なら、期限切れで使えない状態を避けやすくなります。管理する人手があるかどうかで選んでください。

使ったのに助からなかった場合、会社や使った社員の責任になりませんか。

社内から必ず出る不安です。一般に、救命のために善意で行った応急手当について過度に責任を問われない考え方が説明されており、消防や自治体の救命講習でも扱われます。個別の判断は状況によりますので、不安が強い場合は講習の資料を社内で共有し、必要なら顧問の専門家に相談してください。

導入したあと、総務は何を続けることになりますか。

日常の目視点検、消耗品の交換期限の管理、設置場所の周知、講習受講者の確保の4つです。担当者個人ではなく役割として引き継ぎ、交換期限を備品台帳と社内カレンダーの両方に登録しておくと、担当交代で止まりにくくなります。

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