宅配便と郵便の法人契約、総務が申し込む前に確かめる運賃と送り状の縛り
この記事で紹介しているのは、申し込む形のサービスです。現在、アフィリエイトの提携はありません。
宅配便や郵便の法人契約は、金額が小さく見えるのに毎月必ず出ていく費用です。この記事を読むと、申し込む前に営業担当へ何を聞けばよいか、そして数年後に運送会社を切り替えるときに何が引っかかるかが分かります。値段の交渉より先に、送り状の発行方法と集荷の時間を決めておくほうが、現場は楽になります。社内で稟議を通すときの説明の順番も最後に書きます。
最初にやるのは値段交渉ではなく、出荷量の棚卸し
法人運賃の見積もりは、出荷量と行き先の分布で変わります。先に自社の実績をまとめないと、営業担当も値段を出せません。
集めるのは次の数字です。
- 月あたりの発送件数(宅配便、郵便、メール便をそれぞれ分けて)
- 荷物のサイズと重さの内訳(小さい箱が中心か、大きい箱が混ざるか)
- 行き先の分布(同一県内が多いか、全国に散るか、離島・沖縄がどれくらいあるか)
- 着払いと元払いの比率、代金引換の有無
- 季節の波(決算期や年末に集中していないか)
これが分からないと「安くしてほしい」としか言えず、相手も標準的な条件しか出せません。経理の支払記録と、現場が使っている送り状の控えを突き合わせると、おおよその姿は見えます。
よくあるのは、営業部門が自分のアカウントで別契約を持っていて、総務が把握している数字が全体の一部でしかないケースです。請求書の発行元を全部洗い出してから見積もり依頼に入ると、話が一度で済みます。
運賃は「サイズ×エリア×件数」で決まる。割引率だけ見ない
法人向けの運賃は、定価から何%引き、という形ではなく、サイズ区分とエリア区分ごとに単価を決める形(いわゆる個建て)になることが多いです。表で提示されるので、自社の出荷が多い区分の単価を見ないと意味がありません。
見積書を受け取ったら、次を確認します。
- 自社で件数が最も多いサイズとエリアの単価はいくらか
- 件数が減ったときに単価が上がる条件(下限件数)が付いていないか
- 燃料費や人件費を理由とした改定の条項がどう書かれているか
- 離島、沖縄、北海道などの追加料金の扱い
- 時間帯指定、クール便、重量超過などのオプション料金
運賃表は一度決めたら数年そのまま、とは限りません。近年は改定の申し入れが入ること自体が珍しくなくなっています。「改定する場合は何か月前に書面で通知する」という一文があるかどうかだけでも、確かめておく価値があります。
単価の差が数十円でも、月に数百件出すなら年間では無視できない額になります。逆に月に数十件なら、単価より集荷の確実さを優先したほうが実務は回ります。
郵便の料金後納・別納は、担保と締め日の確認から
郵便を毎月まとまって出す会社は、切手を貼らずに後からまとめて払う契約(料金後納)を結べます。差し出しのたびに現金で払う方式(料金別納)とは手続きが違います。
後納は信用取引なので、審査と担保の話が出てきます。確かめるのは次の点です。
- 担保の提供を求められるか、免除される条件は何か
- 締め日と支払期限、支払方法(口座振替か振込か)
- 差し出せる郵便局が指定されるか、どこでも出せるか
- 差出票の書き方と、誰が窓口に持っていくか
実務で詰まりやすいのは、担当者が一人しか差し出し手続きを知らない状態です。その人が休むと請求書の発送が止まります。差出票の記入例をコピーして保管し、二人目が触れるようにしておくと安全です。
また郵便料金は制度として改定されることがあります。封筒に印刷した料金表示や、社内の送付ルールが古いままだと、料金不足で戻ってくることがあります。改定の情報が出たら、封筒の在庫と社内手順を同時に見直す、と決めておくと取りこぼしません。
送り状の発行方法と、貸与される機器の扱いを先に決める
運賃の次に効いてくるのが、送り状をどう作るかです。手書き、運送会社が提供する発行システム、自社の販売管理システムと連携、の大きく三つに分かれます。
件数が月に数十件を超えてくると、手書きは現実的ではなくなります。発行システムを使う場合、専用のラベルプリンタが貸与される形が一般的です。ここで確かめるのは次の点です。
- プリンタは貸与か買い取りか、月額の利用料がかかるか
- ラベル用紙やインクリボンは誰の負担か(消耗品費は見積書に出てこないことが多い)
- 設置に必要なパソコンの条件(古いOSで動かない場合がある)
- 解約したときに機器を返す期限と、返却時の送料・違約の扱い
- 複数の運送会社を使う場合、送り状の発行画面が別々になるか
カタログの運賃表には消耗品費が載りません。ラベル用紙の実費と、置き場所(プリンタと用紙のストックを置く棚)は、導入前に現場と相談しておくところです。作業机のそばに置けないと、結局誰も使わなくなります。
集荷の時間と置き場所が、現場の不満の出どころ
契約条件で揉めるより、日々の運用で揉めるほうが多いのが集荷です。ここは見積もりの段階で詰めておけます。
- 集荷の回数と時間帯、最終の締め時間
- 締め時間を過ぎた荷物を営業所へ持ち込めるか、持ち込み割引があるか
- 集荷担当が来るのは何階か、エレベーターや搬入口の使用に制限がないか
- 荷物をまとめて置いておくスペースが社内にあるか
- ビルの管理規約で、共用部に荷物を置けない決まりがないか
オフィスビルでは、宅配業者の立ち入りや台車の使用が制限されていることがあります。契約前にビル管理会社へ一度確認しておくと、入居後のトラブルを避けられます。
また、締め時間が早い契約にすると、受注の締め切りも前倒しになります。これは営業部門に直接影響するため、総務だけで決めると後から反対が出ます。「この条件だと受注の締めが何時になる」と先に伝えておくのが、社内合意の近道です。
切り替えるとき・やめるときに詰まるところ
継続契約は、入るときより切り替えるときに手間がかかります。運送会社を変える判断をした場合、次が残ります。
- 未使用の送り状の在庫(原則として返却が必要。枚数を数えて返す手間がかかる)
- 貸与されたプリンタや端末の返却と、ラベル用紙の残り
- 着払い・代金引換の請求がすべて締まるまでの期間(最後の入金まで口座を閉じられない)
- 取引先へ伝えてある着払いの依頼主番号を変更する連絡
- 返品を受け付ける際の、旧運送会社の着払い伝票がしばらく届き続けること
見落とされやすいのが最後の二つです。カタログや通販サイトに着払いの番号を印刷している会社は、刷り直しが終わるまで旧契約を残す必要が出ます。切り替え日を決めるときは、印刷物の在庫も一緒に確認します。
解約の予告期間が何か月前か、違約金があるか、機器の残りの費用がどう精算されるかは、申し込み前に書面で確かめておきます。口頭の説明だけで進めると、やめるときに根拠が出せません。
稟議はコスト削減額より「止まらない体制」で書く
運賃の値下げ幅だけを書いた稟議書は、金額が小さいと後回しにされがちです。通りやすいのは、業務が止まらない体制を作る、という書き方です。
盛り込むのは次の内容です。
- 現状の発送件数と年間費用(請求書から拾った実額)
- 新条件での年間見込み額と、消耗品費を含めた差額
- 属人化の解消(送り状発行と差し出し手続きを複数名が扱える状態にする)
- 締め時間の変更が営業部門に与える影響と、事前に合意済みであること
- 解約条件(予告期間、違約金の有無、機器返却)を確認済みであること
まずやることは三つです。直近半年の発送実績を請求書から集計する。その数字を持って二社以上に見積もりを依頼する。見積書が届いたら、運賃表の中で自社の件数が多い区分だけを比べる。
この順番なら、専門知識がなくても判断の根拠が揃います。値段は後から交渉できますが、集荷時間と解約条件は後から変えにくいところです。
買う前に確かめること
- 直近半年の発送件数とサイズ・エリアの内訳を請求書から集計したか
- 自社で件数が多い区分の単価と、下限件数の条件を見積書で確認したか
- ラベル用紙などの消耗品費と、プリンタの置き場所を現場と決めたか
- 集荷の最終締め時間を営業部門に伝え、受注締めの変更に合意を取ったか
- 解約の予告期間、違約金、貸与機器の返却条件を書面で確かめたか
- 着払い番号を記載した印刷物やサイトの修正範囲を洗い出したか
候補になる分類
宅配便の法人運賃契約(サイズ・エリア別の個建て契約)
目安:1件あたり数百円〜(サイズとエリアで変動)
月に数十件以上を継続して発送する会社向けです。件数と行き先が安定している会社ほど条件を詰めやすく、逆に波が大きい会社は下限件数の条件に注意が必要です。
これは申し込む形のサービスです。提携が決まりしだい、ここに申込先を載せます。
郵便の料金後納契約(まとめて後払いする方式)
目安:郵便料金の実費+事務手続き
請求書や案内状を毎月まとまった通数で出す会社に向きます。切手を貼る作業がなくなる一方、担保や審査、差出票の手続きが発生するため、担当者を二人以上立てておくのが安全です。
これは申し込む形のサービスです。提携が決まりしだい、ここに申込先を載せます。
送り状発行システム(複数の運送会社に対応するタイプ)
目安:無償提供〜月数千円程度(消耗品費は別)
出荷件数が増えて手書きが限界になった会社向けです。運送会社ごとに画面が分かれると現場の負担が増えるため、将来2社使う可能性があるなら対応範囲を先に確認しておきます。
これは申し込む形のサービスです。提携が決まりしだい、ここに申込先を載せます。
配送代行・フルフィルメントサービス(出荷作業ごと外に出す形)
目安:保管料+作業料の従量課金
出荷が季節で大きく振れる会社や、社内に置き場所が取れない会社の選択肢です。固定費は上がりますが、人の手配と保管スペースの問題を同時に片付けられます。
これは申し込む形のサービスです。提携が決まりしだい、ここに申込先を載せます。
よくある質問
運送会社は1社にまとめたほうが安くなりますか
件数を集中させたほうが条件は詰めやすい傾向があります。ただし1社に寄せると、災害や繁忙期に集荷が止まったときの代替手段がなくなります。メインを決めつつ、小口でも2社目の契約を残しておく運用が現実的です。
契約期間の途中で運賃を上げたいと言われたら断れますか
契約書に改定の条項がある場合、一方的に拒否するのは難しいことが多いです。通知の時期や方法が定められているかを確認し、改定幅の根拠と適用時期を書面でもらってください。そのうえで他社の見積もりと比べて判断します。
送り状のプリンタは返さないといけませんか
貸与の場合は返却が必要です。返却期限、送料の負担、破損時の扱いは契約書か貸与の覚書に書かれています。申し込み時点で確認し、設置場所と一緒に社内で記録を残しておくと、数年後の担当者が困りません。
着払いの番号を取引先に伝えてあります。切り替えのときはどうしますか
旧番号あての着払い荷物がしばらく届き続けることを前提に、重複する期間を見込んでおきます。取引先への通知、サイトや印刷物の表記変更、返品窓口の案内を同時に進め、印刷物の在庫がなくなる時期に合わせて切り替え日を決めると混乱が少なくなります。