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オフィス清掃の委託契約、総務が更新前に確かめる作業範囲と解約予告

2026-09-14 オフィス清掃委託契約総務の実務解約予告

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オフィス清掃の委託は、金額の差より「何をしてもらえて、何は自社でやるのか」の差で揉めます。この記事を読み終えると、見積書の月額を比べる前に社内で決めておくこと、契約書で必ず文字にしておく項目、そして業者を変えるときに詰まる場所がわかります。新規に頼むときだけでなく、自動更新が近い契約の見直しにも使える内容です。

清掃契約は「やること」より「やらないこと」で決まる

清掃の見積書は、たいてい「日常清掃 週◯回」といった一行で書かれています。この一行が、後から一番もめます。

よくあるのは、次のようなすれ違いです。

  • 給湯室の流し台は拭くが、社員のマグカップは洗わない
  • トイレの床と便器は清掃するが、詰まりの対応は別料金
  • デスクの上は「私物があるため触らない」
  • 書庫やサーバー室は施錠されているため対象外
  • ゴミは集積所まで出すが、分別のやり直しはしない

どれも業者側としては当然の線引きです。ただ、社内では「清掃を頼んだのだから全部きれいになる」と受け取られがちで、「頼んだのに汚い」という苦情が総務に来ます。

防ぎ方はひとつで、契約前に作業範囲表(仕様書)を紙でもらうことです。口頭で「そのあたりもやりますよ」と言われた項目こそ、担当者が代わると消えます。範囲表に載っていない場所は、社員が当番でやるのか、別料金で追加するのかを先に決めておきます。ここを決めずに契約すると、清掃の苦情処理が総務の定常業務になってしまいます。

月額が同じでも中身は違う ─ 回数・時間・人数の読み方

清掃の料金は、おおまかに「作業時間 × 人数 × 回数」で積み上がります。同じ月額でも、週3回で1回あたり短時間の設計と、週2回でやや長めの設計では、仕上がりがまったく違います。比較するときは、金額の下にある次の数字をそろえてください。

  • 1回あたりの作業時間(おおよそで構いません)
  • 入る人数
  • 週あたり、月あたりの回数
  • 作業する時間帯(早朝・昼・終業後)

時間帯は特に効きます。終業後に入ってもらうと社員の邪魔になりませんが、施錠や警備の解除を誰がやるかという問題が出ます。早朝なら在社者がいないぶん作業は速い一方、ビルの開錠時間に縛られます。

もうひとつ、日常清掃とは別に「定期清掃」という項目が並ぶことがあります。床のワックスがけ、カーペットの洗浄、窓ガラス、エアコン内部の洗浄などです。これらは年に1〜2回といった頻度の別料金になっていることが多く、初年度の見積もりには含まれていても翌年から別請求、という形も見かけます。年間でいくらになるのかを、月額とスポットの合計で出してから比べます。

消耗品は誰が買うか ─ 契約書に出てこない毎月の出費

見積書に出にくいのに毎月かかるのが、消耗品です。トイレットペーパー、ハンドソープ、ペーパータオル、ゴミ袋、洗剤、消臭剤。清掃業者が補充まではするが、物は自社支給という契約はよくあります。「補充してくれている=業者が買っている」と思い込んだまま、実は総務が発注し続けていた、という取り違えも起きます。

確かめるのは次の点です。

  • 消耗品の費用負担はどちらか
  • 業者支給の場合、銘柄や品質は指定できるか
  • 在庫が切れたときの連絡経路(誰が誰に言うか)
  • 保管場所はどこにするか

保管場所は軽く見られがちですが、実務では地味に詰まります。トイレットペーパーやゴミ袋は箱で届くとかさばり、置き場所がないと廊下や会議室の隅に積まれます。清掃業者が入る動線上に置けないと、補充のたびに社員が呼ばれることになります。

人数が増えている会社では、消耗品の量も静かに増えていきます。清掃契約の更新時に、消耗品の年間発注額もあわせて見ておくと、値上げ交渉の材料になります。

鍵と警備の段取りを決めないと、初日に作業が始まらない

契約が決まってから一番慌てるのが、入館の段取りです。終業後や休日に作業してもらう場合、清掃員が建物と自社フロアに入れなければ何も始まりません。

決めておく項目は次のとおりです。

  • 鍵を業者に預けるのか、都度ビル管理室で受け取るのか
  • 機械警備を入れている場合、解除の暗証番号やカードを誰に渡すか
  • 作業員が交代したとき、誰がいつ会社に知らせるか
  • 鍵や解除情報を紛失したときの責任分担

警備会社と契約している会社では、解除コードを外部の人に渡すこと自体が社内で反対されることがあります。総務が話を進めていたのに、情報管理の担当者から待ったがかかる、という順番です。稟議に上げる前に、鍵と警備の扱いをどうするかを決めて添えておくと、差し戻しを減らせます。

あわせて、業者側の損害保険の加入状況も確かめておきます。備品の破損や水漏れが起きたときにどう扱うかを、契約書か覚書のどこかに書いてもらってください。何も書かれていない契約は、起きてから交渉することになります。

値上げの申し入れと、解約予告 ─ やめるときに詰まる場所

清掃は人が動くサービスなので、人件費の動きがそのまま料金に出ます。最低賃金の改定時期に、業者から値上げの相談が来ることは珍しくありません。このとき確かめるのは、契約書に「料金改定は協議のうえ」と書いてあるか、一方的に通知できる形になっているかです。

そして、やめるときです。継続契約は入るときより抜けるときに時間がかかります。次の点を、契約前と更新前の両方で見ておきます。

  • 契約期間と自動更新の有無
  • 解約予告の期間(1〜3か月程度を求められることが多い)
  • 予告の方法(書面が必要か、メールで足りるか)
  • 年間契約の途中でやめた場合の精算
  • 預けた鍵やカードの返却手順
  • 業者が保管している備品や機材の引き上げ日

乗り換えのときは、旧業者の最終日と新業者の初日の間を空けないことが大事です。数日空くと、その間のゴミ出しとトイレ清掃を社員がやることになり、社内から不満が出ます。逆に重ねすぎると二重払いになります。解約予告を出す前に、新しい業者の開始日を仮でも押さえてから動くと安全です。

ビル側の指定業者と、自社で頼める範囲を切り分ける

賃貸オフィスの場合、そもそも自由に業者を選べないことがあります。共用部(エントランス、廊下、共用トイレ)の清掃はビル管理会社が行い、その費用は管理費や共益費に含まれているのが一般的です。自社で契約できるのは専有部だけ、という前提を先に確認してください。

また、賃貸借契約や館内規則で「専有部の清掃も指定業者に限る」「業者を入れる際は事前に届け出る」と定められている物件もあります。相見積もりを取ってから使えないと判明すると、時間が無駄になります。契約書と館内規則を先に見るか、管理会社に一本電話を入れるほうが早いです。

稟議の準備としては、次の形にしておくと通りやすくなります。

  • 現状の月額と年間総額(スポット清掃と消耗品費を含めた金額)
  • 比較した2〜3社の、回数・時間・人数・範囲をそろえた表
  • 切り替える場合の初期費用と、解約予告に必要な期間
  • 社員が負担している作業(ゴミ出し当番など)が減るかどうか

金額だけの比較表は「安いほうでいい」で終わりがちです。社員の手間がどれだけ減るかを一行足すと、判断の理由が残ります。

買う前に確かめること

  • 作業範囲表(仕様書)を書面でもらい、対象外の場所を確認したか
  • 1回あたりの作業時間・人数・回数・時間帯をそろえて比較したか
  • 消耗品の費用負担と補充の連絡経路、保管場所を決めたか
  • 鍵と警備解除の扱い、担当者交代時の連絡方法を契約に書いたか
  • 解約予告の期間と方法、鍵や機材の返却手順を確認したか
  • 賃貸借契約や館内規則で、業者の指定や届出が必要かを調べたか

候補になる分類

日常清掃の定期契約(週数回・専有部中心)

目安:回数と面積により変動(年間総額で比較)

社員が20人を超えたあたりから、ゴミ出しやトイレ清掃の当番が回らなくなる会社に向きます。回数と時間帯を選べるため、まずは最小回数で始めて様子を見る使い方ができます。

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定期清掃・スポット清掃の都度発注(床洗浄・ガラス・空調内部など)

目安:作業内容と面積により変動

日常清掃は社内で回せているが、年に数回だけ専門的な作業が必要な会社に向きます。契約を持たず都度見積もりにすれば、予算の管理がしやすくなります。

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ビルメンテナンス一括契約(清掃・設備点検・警備の窓口統合)

目安:建物規模により変動(年間契約が中心)

自社ビルや区分所有で、点検や警備の業者がばらばらになっている会社に向きます。窓口が一本になる代わり、解約時に複数業務がまとめて動くため、予告期間と範囲の切り分けを事前に確かめる必要があります。

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よくある質問

清掃業者を変えると、最初の月だけ料金が高くなることがあるのはなぜですか

初回に、たまった汚れを落とすための初期清掃を別途提案されることがあるためです。床のワックス層が古い場合は、剥離作業が入って金額が上がることもあります。見積もりの段階で、初回費用と2か月目以降の月額を分けて出してもらうと比較しやすくなります。

自動更新の契約で、更新月が近いことに気づいたときはどうすればよいですか

まず契約書で解約予告の期間と方法を確認してください。予告期限を過ぎていれば次の1期間は継続になりますが、その間に条件の見直しを申し入れることはできます。回数を減らす、スポット清掃を外すといった調整で、解約せずに費用を下げられる場合があります。

社内から「清掃が雑になった」と苦情が出たときは、どう対応すればよいですか

作業範囲表を手元に置いて、苦情の中身が範囲内か範囲外かを分けるのが先です。範囲内なら業者の責任者に具体的な場所と日付を伝えて改善を求めます。範囲外なら、追加料金で範囲を広げるか社内で分担するかを決める話になります。担当者の交代直後に品質が変わることもあるため、交代時の連絡を契約に入れておくと確認が早くなります。

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