オフィス家具の買い替え、総務が発注前に確かめる搬入経路と古い机の処分
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オフィス家具の買い替えは、見積もりの合計額だけを見て決めると後から足が出ます。足が出る場所はだいたい決まっていて、搬入経路と、古い家具の処分です。この記事を読むと、相見積もりを取る前に自社で測っておくこと、見積書で確認すべき項目、稟議で聞かれる点が決まります。椅子や机の「良し悪し」より先に、入るのか・出せるのかを確かめる話です。
家具代は本体価格で終わらない。見積書で分けて見る項目
オフィス家具の見積もりは、本体価格のほかに次の費用がぶら下がります。ここを一式でまとめられると、比較ができません。相見積もりを取るときは、分けて書いてもらうよう頼みます。
- 配送料(階数、エレベーターの有無、台数で変わります)
- 搬入作業費(人員を増やす必要がある場合は加算されます)
- 組立・設置費(天板と脚が別梱包の机は、組立が別料金のことがあります)
- 既存家具の移動費(新しい家具を置く前に、今ある家具をどかす作業です)
- 引き取り・処分費(これが一番読み違えやすい項目です)
- 時間外作業費(休日や夜間の搬入は割増になります)
よくあるのは、通販の商品ページの価格で予算を組み、後から搬入と処分の見積もりが出てきて、総額が一回り大きくなるという流れです。台数が10台を超えるあたりから、配送と処分が無視できない比率になります。
もう一つ、見落とされやすいのが「当日の人手」です。業者の作業範囲が玄関までなのか、設置場所までなのか、古い机の中身を出すのは誰なのか。契約書や作業指示書に書かれていないと、当日に社員が駆り出されます。書類や私物の片付けは社員側の作業になるのが通例なので、社内への事前アナウンスも含めて段取りに入れておきます。
先に測るのは部屋ではなく、エレベーターと通路
レイアウト図を描く前に、搬入経路を測ります。部屋に置けても、そこまで運べなければ入りません。
確かめるのは次の点です。
- 建物の入口からの段差、スロープの有無
- エレベーターの間口(扉の幅)と内寸、天井高、積載重量
- エレベーターが使えない場合の階段幅と踊り場の折り返し
- 通路の曲がり角、消火栓や柱の出っ張り
- 事務室のドア幅と、ドアが外せるかどうか
天板が大きい机や、背の高い書庫、大型のソファは、ここで止まります。エレベーターに入らない場合、階段で上げるための追加人員や、窓から吊り上げるクレーン作業が必要になることがあります。クレーンは道路使用の手配も絡み、費用の桁が変わります。
賃貸オフィスの場合、建物側のルールも先に管理会社へ確認します。搬入できる曜日と時間帯、養生(床や壁を傷つけないための保護)の義務、エレベーターの専有使用の申請、作業員の駐車場所。平日の日中は搬入禁止というビルもあり、その場合は休日作業の割増が前提になります。見積もりを取る前にこの条件を業者へ伝えないと、出てきた金額が使えません。
測るのが不安なら、現地調査(下見)を依頼します。無料で来てくれる業者が多く、ここで搬入可否を確認しておくと、当日に「入りませんでした」が起きにくくなります。
古い机と椅子は粗大ごみでは出せない。産業廃棄物としての処分
会社で使っていた家具は、家庭の粗大ごみとして自治体の回収には出せないのが原則です。事業活動から出た廃棄物として、許可を持つ業者に処分を依頼します。ここを知らずに「とりあえず廊下に出しておく」と、置き場所に困ったまま数週間が過ぎます。
確かめるのは次の点です。
- 引き取りを頼む相手が、産業廃棄物の収集運搬の許可を持っているか
- マニフェスト(産業廃棄物管理票。誰が運び、どこで処分したかを記録する伝票)を発行してもらえるか
- 処分費が台数単位か、重量単位か、トラック1台単位か
- キャビネットの中の書類をどうするか(機密文書は別扱いが安全です)
新しい家具を納品する業者が、同時に古い家具を引き取ってくれることがあります。手間は減りますが、無料ではない場合がほとんどです。「引き取り無料」とある場合は、何台まで無料か、搬出作業は含むのかを書面で確認します。
まだ使える机や椅子は、中古買い取り業者が値を付けることもあります。ただし、量と年式と状態次第で、買い取りではなく有償の引き取りになるのが普通です。期待しすぎず、処分費がかかる前提で予算を組んでおくと、稟議が後から崩れません。
退去を伴う移転なら、原状回復工事の中に残置物の撤去が含まれるかどうかも確認します。含まれない場合、入居期限までに自力で空にする必要があります。
買う・借りる・中古、どれが向くかは台数と移転予定で決まる
調達の方法は大きく三つです。金額だけでは決まらず、何年そのオフィスを使うかで向き不向きが変わります。
- 新品を買い取る。長く使う前提なら素直です。補修部品が手に入りやすく、同じ型を後から買い足せる可能性もあります。ただし処分責任は自社に残ります。
- レンタル・リースで借りる。初期費用を抑えられ、返却時に引き取ってもらえるのが利点です。一方で、途中解約の扱いや、返却時の原状回復・キズの扱いが契約書に書かれています。短期の増員や、移転が決まっている場合に検討する価値があります。
- 中古を買う。同じ予算で台数を揃えやすい方法です。在庫は一点物が多く、後から同じ物を追加できないことがあります。座面の張りやガスシリンダー(椅子の高さを変える部品)の状態は、現物を見て決めます。
判断の順番としては、まず「この場所をあと何年使うか」を決めます。数年以内に移転の可能性があるなら、重くて運びにくい大型家具を新品で大量に買うのは慎重に考えます。移転費用は家具の台数と重量に連動します。
税務の扱いも、調達方法で変わります。1台あたりの金額によって、消耗品として処理できるか、固定資産として減価償却するかの線引きがあります。中小企業向けの特例が使える場合もあります。金額の線引きは制度の改正で変わるため、発注前に顧問税理士へ確認しておくのが確実です。
椅子と机は「後から直せるか」で選ぶ
製品そのものの選び方は、座り心地より先に、使い続けられるかを見ます。
椅子で確かめるのは次の点です。
- 補修部品が供給されるか(ガスシリンダー、キャスター、座面)
- 保証の期間と範囲、保証書の保管方法
- 肘掛けの有無と、机との高さの相性
- 体格差への対応(身長の低い人と高い人で、合う椅子は変わります)
椅子は社内で意見が割れやすい買い物です。サンプルを数脚借りて、数日間、希望者に座ってもらう方法が取れます。選定に関わった人が増えると、稟議でも通りやすくなります。逆に、総務が一人で決めて全員分を一括発注すると、後から不満だけが残ります。
机で確かめるのは次の点です。
- 天板の奥行き(モニターを置くなら手前の余裕が必要です)
- 配線の逃がし方(配線孔、ケーブルトレー、電源タップの固定場所)
- 脚の形状(中央に脚があると、隣との間隔が調整しにくくなります)
- 将来の増席に対応できるか(同じシリーズが継続販売されるか)
電動の昇降デスクを入れる場合は、1台ごとにコンセントが必要になります。既存の電源容量と口数で足りるか、電気工事が要るかを先に確認します。足りないまま納品されると、延長コードが床を這う状態になり、安全面で指摘を受けます。
稟議で聞かれること、そして発注までの順番
家具の稟議は「今のままでは何が困るのか」が弱いと止まります。椅子が壊れている台数、来客時に席が足りない状況、採用した人の席がない見込みなど、数で説明できる材料を先に集めます。健康面を理由にする場合は、腰痛の訴えや安全衛生上の指摘など、社内で確認できる事実に限って書きます。
進める順番は次のとおりです。
1. 今ある家具の台数と状態を数える。処分する分と残す分を分ける。2. 管理会社に搬入条件(曜日・時間帯・養生・エレベーター)を確認する。3. 搬入経路を測る。不安なら現地調査を依頼する。4. 2〜3社に相見積もりを依頼する。本体・配送・組立・引き取り処分を分けて記載してもらう。5. 古い家具の処分方法と、マニフェストの発行可否を確認する。6. 椅子はサンプルを借りて、使う人に試してもらう。7. 税務処理を税理士に確認し、総額と納期を添えて稟議にかける。8. 納品日が決まったら、片付けの範囲と当日の立ち会い担当を社内に通知する。
ここまで決まっていれば、決裁者から「処分はどうするのか」「当日は仕事が止まるのか」と聞かれても答えられます。発注前に止まる場所は、たいてい搬入と処分です。先に潰しておけば、残りは好みの問題になります。
買う前に確かめること
- エレベーターの間口・内寸・積載重量と、通路の曲がり角を測ったか
- 管理会社に搬入可能な曜日・時間帯と養生の条件を確認したか
- 見積書で本体・配送・組立・引き取り処分が分けて書かれているか
- 古い家具を引き取る業者が許可を持ち、マニフェストを発行できるか
- 椅子はサンプルを借りて、実際に使う人に座ってもらったか
- 固定資産として処理するかどうかを、税理士に事前確認したか
候補になる分類
事務用のオフィスチェア(補修部品が手に入るもの)
目安:1台あたり2万〜8万円程度
長時間座る職場で、椅子の質は作業効率と体の負担に直結します。数年使う前提なら、キャスターや座面などの部品を後から交換できるシリーズが向きます。全員分を一度に決める前に、数脚だけ取り寄せて座り比べる進め方が無難です。
事務机・昇降デスク(同じシリーズを買い足せるもの)
目安:1台あたり2万〜15万円程度
増席の予定がある会社では、同じシリーズが継続して売られているかが効いてきます。電動の昇降タイプを選ぶ場合は、1台ずつ電源が必要になるため、コンセントの数を先に確認してください。
デスク下の配線トレー・ケーブル収納
目安:1台あたり2千〜8千円程度
机を入れ替えると、足元の配線が一度ほどけます。床を這うケーブルは掃除の邪魔になり、つまずきの原因にもなります。机本体と同時に手配しておくと、設置当日にまとめて片付きます。
オフィス家具の搬入設置・引き取り処分サービス
目安:台数・階数・経路により変動
台数が多い会社や、エレベーターに入らない大型家具がある場合は、搬入と処分をまとめて請け負う業者に依頼する形になります。産業廃棄物の許可とマニフェスト発行の可否を、申し込み前に確認してください。
これは申し込む形のサービスです。提携が決まりしだい、ここに申込先を載せます。
よくある質問
使わなくなった机や椅子を、自治体の粗大ごみとして出せますか
会社の事業活動で使っていた家具は、産業廃棄物として扱われるのが原則で、自治体の家庭ごみの回収には出せないのが一般的です。許可を持つ業者に依頼し、マニフェスト(管理票)を受け取って保管します。自治体によって細かい運用が異なるため、事前に確認してください。
中古のオフィス家具を買うのは、実務上どうでしょうか
同じ予算で台数を揃えやすく、選択肢としては十分に成り立ちます。ただし在庫が一点物になりやすく、後から同じ型を買い足せない場合があります。椅子は座面の張りや高さ調整部品の状態を現物で確認し、保証の有無も聞いておくと安心です。
納品当日、仕事は止まりますか
入れ替える台数と範囲によります。机の中身を出すのは社員側の作業になるのが通例なので、前日までに片付けを済ませる案内が必要です。全席を一度に入れ替えるなら休業日や週末の作業を、数席ずつなら平日の分割納品を検討する形になります。