オフィスのシュレッダー選び、総務が買う前に確かめる処理量と置き場所
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シュレッダーは安い買いものに見えて、選び方を外すと毎日の業務が止まります。この記事を読むと、自社に必要な処理量と裁断サイズ、置き場所の条件、そして本体代以外にかかり続ける費用の見当がつきます。あわせて、社内で裁断するものと外部の溶解処分に回すものの線引きも決められます。故障してから慌てて選ぶと妥協が増えるので、動いているうちに読む前提で書きます。
最初に決めるのは「月にどれだけ捨てるか」と「誰が使うか」
機種選びの前に、自社の捨て方を数えます。ここを飛ばすと、カタログの「毎分◯枚」だけで選んでしまい、使い始めてから合わなくなります。
確かめるのは次の点です。
- 月にどれくらいの紙を廃棄しているか。ざっくりでかまいません。コピー用紙の箱いくつ分、といった単位で十分です。
- 捨てる人が特定の担当者だけか、全社員が使うか。全社員が使う場合、手差しの手間が少ない機種でないと机に紙がたまります。
- 裁断が集中する時期があるか。決算後、年度末の書類整理、健診結果や年末調整の関係書類など、特定の月に偏るのが一般的です。
- 紙以外を入れるか。CD・DVD、カード類を裁断したいなら対応機種が限られます。
よくあるのは、普段の量に合わせて小型機を買い、書類整理の月に処理が追いつかず、結局その分を外部の処分サービスに出すという流れです。それ自体は悪くありませんが、最初から「日常は社内、大量は外部」と決めておけば、無理に大型機を買わずに済みます。台数を1台にするか、フロアごとに小型を複数置くかも、この段階で決めておくと稟議が書きやすくなります。
裁断サイズは、復元しにくさとゴミの量のトレードオフ
裁断の細かさは、おおむね「ストレートカット(細長い短冊)」「クロスカット(短冊をさらに横に切る)」「マイクロカット(さらに細かい紙片)」に分かれます。細かいほど復元されにくくなりますが、同時に本体価格が上がり、ダストボックスが早く満杯になります。
判断の目安は、社内の書類を区分することです。
- 氏名・住所・マイナンバー・給与額などが載る書類は、細かい方式が向きます。
- 見積書や社内メモなど、外部に出ても損害が限定的なものは、そこまで細かくする必要はありません。
全部を最も細かい方式で裁断すると、ゴミ袋の交換回数が増え、担当者の手間が増えます。逆にすべてを粗い方式にすると、人事・給与関係の書類で不安が残ります。実務では、日常の大半を扱う1台は中間のクロスカット系にして、人事労務の書類だけは外部の溶解処分に回す、という分け方がよく取られます。
なお「どの方式なら安全か」に唯一の正解はありません。自社の情報の取り扱い規程や、取引先との秘密保持契約で定めがあるかを先に確認してください。規程があるなら、それに合わせるのが稟議でも説明しやすくなります。
カタログに出ない継続費用 ─ 消耗品、屑の廃棄、修理
本体価格だけで比べると、後から差がつきます。シュレッダーは買って終わりではありません。
かかり続けるものは、おおよそ次のとおりです。
- 潤滑用のオイルシートやオイル。刃の切れ味を保つために定期的に使います。使わないと紙詰まりが増えやすくなります。
- ダストボックス用の袋。機種専用サイズだと、汎用のゴミ袋が使えず割高になることがあります。購入前に袋の入手性を確認してください。
- 裁断屑の廃棄。ここが見落とされがちです。細かく裁断した紙は、自治体や契約している廃棄業者によって扱いが変わります。古紙回収に出せない場合があり、事業系ごみとして処分費がかかることもあります。マイクロカットにするほど嵩が増え、袋の数も増えます。
- 修理と部品交換。刃には寿命があります。メーカー保証の期間と範囲、保証後の修理受付、出張修理か持ち込みかを確認しておきます。重量のある機種は持ち込み自体が難しくなります。
稟議書には、本体価格に加えてこれらの年間見込みを一行入れておくと、後から「聞いていない」と言われずに済みます。金額が確定しないものは「年間◯万円程度を見込む」と幅で書けば十分です。
置き場所、音、連続使用時間 ─ 使い始めてから困る条件
仕様表の中で、見落とすと痛いのが連続使用時間です。多くの機種には連続で動かせる時間の目安があり、それを超えると本体保護のために停止し、冷えるまで動きません。書類整理の日に止まると、その場で作業が終わります。全社員が交代で使う想定なら、連続使用時間に余裕のある機種を選ぶ方が無難です。
置き場所も先に決めてください。確かめるのは次の点です。
- 搬入経路。大型機は重量があり、エレベーターのサイズや台車の通り道が問題になります。
- 床とキャスター。移動させる前提なら、キャスター付きか、カーペットでも動くかを見ます。
- 電源。他の機器と同じ回路に集中させると、ブレーカーが落ちることがあります。
- 音。裁断音は小さくありません。電話をよく使う席や来客スペースの近くは避けるのが無難です。「静音」とある機種でも無音ではありません。
- ダストボックスの取り出し方向。壁際に寄せすぎると屑が捨てにくくなります。
もう一つ、意外と反対が出るのが設置場所の変更です。今まで自席のそばにあったものが遠くなると、現場から不満が出ます。導入前に、よく使う部署に置き場所を相談しておくと話が早く進みます。
社内で裁断するか、外部の溶解処分に出すか
総務の判断としては、全部を社内で裁断しようとしないことが現実的です。量が多いものは、段ボールに詰めて回収してもらう溶解処分の方が、人件費を含めると安く済む場合があります。
使い分けの考え方です。
- 日常的に少量ずつ出る書類、すぐ処分したい書類は社内で裁断。
- 保存年限が切れた過去の書類など、まとまった量は外部に出す。
- 持ち出しが不安な書類は、回収の立ち会い可否や、処理証明書の発行有無を確認してから出す。
外部に出す場合の確認点は、箱単価だけではありません。回収の最低数量、指定の箱を買う必要があるか、回収日の指定ができるか、処理証明書が出るか、証明書に何が記載されるかを見ます。年に一度しか使わないなら、都度契約で足りることもあります。継続契約にする場合は、自動更新の有無と解約予告の期間を契約書で確認してください。ここは他の総務契約と同じで、やめるときに手間が出ます。
社内裁断と外部委託の両方を使う前提で予算を立てると、シュレッダー本体のサイズを無理に大きくせずに済みます。
買い替えのタイミングと、古い機体の処分
入れ替えを検討するきっかけは、たいてい故障です。ただ、止まってから探すと納期と在庫に振り回され、条件が合わない機種で妥協しがちです。次の兆候が出たら、動いているうちに検討を始めるのが安全です。
- 紙詰まりの頻度が増えた。
- 以前より投入できる枚数が減った。
- 修理部品の供給が終了したと案内された。
- 人数が増え、一台では列ができるようになった。
忘れられやすいのが、古い機体の処分です。業務用の機器は自治体の粗大ごみで引き取れないことがあり、産業廃棄物として処分費がかかる場合があります。新しい機種の購入先が下取りや引き取りに対応しているかを、見積もり段階で聞いてください。引き取り費用が別請求になることもあります。
稟議の組み立ては単純で構いません。現状の問題(止まる、詰まる、列ができる、保証が切れている)、必要な処理量、本体価格、年間の消耗品と廃棄の見込み、古い機体の処分方法。この5点を一枚にまとめれば、判断する側は比較できます。逆にこの5点が揃っていない稟議は、金額の大小にかかわらず差し戻されやすくなります。
買う前に確かめること
- 月あたりの廃棄量と、書類整理が集中する時期を数えたか
- 人事・給与書類と一般書類で、裁断の細かさを分ける方針を決めたか
- オイルシート、専用袋、裁断屑の処分費など年間の継続費用を見込んだか
- 設置場所の電源、搬入経路、音の影響、よく使う部署の同意を確認したか
- 保証の範囲と期間、保証後の修理が出張か持ち込みかを確認したか
- 今使っている機体の引き取り方法と費用を、見積もり段階で聞いたか
候補になる分類
小〜中規模オフィス向けの据え置き型クロスカットシュレッダー
目安:3万〜10万円程度
日常的に少量ずつ書類が出る、従業員数十名規模のオフィスに向きます。連続使用時間とダストボックス容量に余裕のあるタイプを選ぶと、書類整理が集中する時期でも止まりにくくなります。
人事・給与書類向けのマイクロカット対応シュレッダー
目安:5万〜20万円程度
氏名や給与額、マイナンバーを含む書類を社内で処分したい会社に向きます。裁断屑が細かいぶんダストボックスが早く満杯になるため、袋の交換頻度が上がる点を見込んでおいてください。
シュレッダー用の消耗品(潤滑オイルシート・専用ダストボックス袋)
目安:1千円〜5千円程度
本体と同時に手配しておくと、切れ味が落ちてから慌てずに済みます。専用サイズの袋が必要な機種は入手性を先に確認し、年間で何枚使うかを稟議の見込み額に入れておくと後で揉めません。
機密文書の溶解処分サービス(段ボール回収型)
目安:箱単位の従量制。最低数量の設定があることが多い
保存年限が切れた過去の書類など、まとまった量を処分する会社に向きます。継続契約にする場合は、最低数量、処理証明書の発行、自動更新と解約予告の期間を契約書で確認してください。
これは申し込む形のサービスです。提携が決まりしだい、ここに申込先を載せます。
よくある質問
「毎分◯枚」という仕様は、どこまで信用してよいですか。
同時に投入できる枚数の目安であり、紙質や使い方で変わります。連続で使い続けられる時間には別に制限があるため、投入枚数だけで選ぶと書類整理の日に止まります。連続使用時間とダストボックス容量を合わせて見てください。
家庭用の安い機種を複数台置くのでは駄目でしょうか。
使用頻度が低い部署なら選択肢になります。ただし連続使用時間が短く、刃の寿命も早く来る傾向があるため、全社員が毎日使う用途では買い替えが重なることがあります。台数が増えると消耗品と屑の廃棄も台数分かかる点も見ておいてください。
裁断した屑は普通の古紙回収に出せますか。
自治体や契約している廃棄業者によって扱いが異なります。細かく裁断した紙は古紙としての再生に向かず、受け入れてもらえない場合があります。導入前に、回収してもらっている業者に確認しておくのが確実です。
社内で裁断するより、外部に出した方が安いこともありますか。
量によってはあり得ます。人が裁断に費やす時間を人件費として見積もると、まとまった量は外部の溶解処分の方が総額で下がる場合があります。日常は社内、大量は外部という使い分けを前提に検討してください。