OFFICE CHOICEオフィスの選びかた

置き社食・オフィスコンビニの導入、総務が契約前に確かめる代金回収と撤去費用

2026-10-08 福利厚生置き社食オフィス環境契約管理総務

この記事には広告(Amazonアソシエイトのリンク)が含まれます。

この記事を読むと、置き社食(オフィス内に軽食や冷凍弁当を置くサービス)やオフィスコンビニ、自販機を入れるかどうかを、社内で説明できる形で判断できます。判断の中心は「月いくらか」ではありません。「代金を誰がどう回収するか」「置き場所と電気・ごみをどうするか」「やめるときに什器を誰が運び出すか」の3点です。福利厚生の中でも、これは物理的な設備が社内に残る契約です。入れるのは簡単ですが、やめるときに手間と費用が出ます。先に確かめておけば、稟議も通りやすくなります。

方式は大きく3つ。誰が代金を回収するかで総務の仕事量が変わる

同じ「社内で食べ物が買えるようにする」でも、契約の形はかなり違います。ここを混ぜると見積の比較ができません。

  • 自販機の設置型。飲料メーカーや自販機の運営会社が機械を置き、補充も集金もその会社が行います。会社側の負担は設置場所と電気代が中心で、総務の手間は一番小さい形です。売上に応じた手数料が会社に入る契約もあります。
  • 置き型社食。冷蔵庫や専用の棚を借り、惣菜・冷凍弁当・パンなどが定期的に補充されます。従業員は1品あたり百円前後で買う形が多く、会社が差額を補助します。補充は業者が来る場合と、宅配で届いて社内の誰かが詰める場合があります。
  • オフィスコンビニ型。商品の種類が多く、キャッシュレス決済の端末や専用アプリで精算します。現金を扱わない分、集金の手間は減りますが、月額の利用料や端末の費用が乗ります。

稟議では、まず「補充するのは誰か」「代金を回収するのは誰か」を書き分けてください。ここが社内担当になっている契約は、総務の作業が毎週発生します。費用より先に、人の時間を見積もってください。

カタログに出ない継続費用は、電気代・置き場所・ごみの3つ

月額利用料だけで比較すると、あとから効いてくるものがあります。確かめるのは次の点です。

  • 電気代。冷蔵のショーケースや冷凍庫、自販機は24時間動きます。機種によりますが、1台でも月の電気代はそれなりの額になります。契約電力の区分によっては、台数を増やすと基本料金の算定に影響する可能性もあります。設置予定の機器の消費電力と、自社の電気契約を照らしてください。
  • 置き場所と電源。給湯室や休憩スペースに、専用コンセントが空いているとは限りません。延長コードでの常時使用は避けたい設備です。電源工事が必要なら、その費用は会社負担になるのが通常です。床の耐荷重や、搬入経路(エレベーターの寸法、入口の段差)も先に測ってください。
  • ごみ。包装容器、弁当容器、飲料の空き容器が毎日出ます。事業系のごみは量が増えれば回収費も増えます。ビルによっては、ごみの排出量に上限がある、分別区分が決まっている、といった規定があります。ビル管理会社への事前確認が要る場合もあります。

この3つは見積書に載りません。載らないものほど、導入後に「聞いていない」と言われます。稟議書に一行ずつ書いておくと、あとで守られます。

代金の未収は起きる。誰が補填するかを契約前に決める

現金の料金箱で運用する方式では、回収額が売れた数と合わないことがあります。悪意がある場合だけでなく、小銭がない、あとで払うつもりで忘れる、といった理由でも起きます。

確かめるのは次の点です。

  • 差額が出たとき、誰が負担する契約か。会社が補填する、業者が負担する、翌月の補充量を減らす、など扱いは契約により違います。
  • 差額が続いた場合に、業者側から契約の見直しや解約を申し入れられる条項があるか。
  • キャッシュレス決済にする場合、決済手数料は誰が持つか。従業員の価格に上乗せするのか、会社が負担するのかで、見え方が変わります。

運用面では、差額が出たときに社内で犯人探しが始まるのが一番まずい展開です。最初から「多少の差は出る前提で、会社が一定額まで負担する」と決めて周知しておくほうが、職場の空気は荒れません。キャッシュレスのみにして現金を置かない、という割り切り方もあります。どちらを選ぶかは、社内の人数と設置場所の人目のつき方で決めてください。

食事の補助は、やり方によって給与として課税されることがある

福利厚生のつもりで出した補助が、給与扱いになると源泉徴収の対象になります。ここは導入前に顧問税理士に確認する項目です。

一般に、会社が食事を補助する場合は、従業員本人が食事代の半分以上を負担していること、会社の負担額が月あたり一定額以下であること、という条件で非課税の扱いが示されています。金額の基準は国税庁の資料に出ていますが、改定されることもあるため、最新の数字は国税庁の公表資料と税理士で確認してください。この記事では金額は書きません。

実務で問題になりやすいのは、無料で配る運用です。「全額会社持ちで食べ放題」にすると、現物給与とみなされる可能性が出てきます。また、残業時の夜食など、別の扱いになるものもあります。

確かめるのは次の点です。

  • 1品ごとの従業員負担額と会社負担額を、月単位で集計できる仕組みがあるか。業者から個人別の利用明細が出るかどうかで、給与計算側の手間が変わります。
  • 個人別に出ない場合、どう按分するのか。
  • 在宅勤務者や支店の社員が利用できないとき、不公平にならないか。ここは税務の話ではなく、社内の納得の話です。

やめるときに詰まるのは、什器の撤去と原状回復

継続契約は、入るときより、やめるときに手間が出ます。この種のサービスは社内に物が残るので、なおさらです。

契約書で確かめるのは次の点です。

  • 解約の予告期間。1か月前、3か月前など契約により違います。自動更新の条項があるなら、更新のタイミングと通知の方法(書面か、所定の様式か)も見ておきます。
  • 最低契約期間と、期間内に解約した場合の違約金や什器の残存費用。無償で借りているように見える冷蔵ショーケースでも、短期で解約すると費用の請求が発生する契約があります。
  • 撤去の費用と、撤去の手配は誰がするか。重い機器は、搬出に養生や人手が要ります。設置時は業者が無償で入れてくれても、撤去は有償という形はあります。
  • 床や壁の跡。長く置いた冷蔵庫の下は、床材が変色することがあります。オフィス移転や退去のとき、この跡が原状回復の対象になるかどうかで揉めることがあります。設置前の写真を撮っておくと、説明がしやすくなります。

オフィス移転の予定があるなら、移転時に機器をどう扱うか(移設できるか、移設費用は誰が持つか)も先に聞いてください。

社内の反対にどう答えるか、と稟議の通し方

この種の導入では、社内から次のような声が出ます。先に答えを用意しておくと、稟議が止まりません。

  • 「使う人と使わない人で不公平だ」。在宅勤務者、直行直帰の営業、支店の社員は恩恵を受けにくい設備です。全社員向けの別の福利厚生と組み合わせるか、対象を絞る理由を明記するか、どちらかを決めてください。
  • 「近くにコンビニがあるのに要るのか」。導入の理由を「安く食べられる」ではなく、「昼の外出時間を減らす」「夜勤・早番の時間帯に買える場所がない」など、自社の事情に紐づけて書くと通りやすくなります。
  • 「誰が管理するのか」。補充の立ち会い、賞味期限の確認、清掃の担当を決めずに入れると、結局は総務が全部やることになります。担当と、1週間あたりの想定作業時間を稟議書に書いてください。

進め方としては、半年程度の試験導入にして、利用状況を見てから本契約に切り替える形が現実的です。業者によっては短期の試用に応じます。応じない業者なら、その理由を聞いてください。

まとめると、やることは3つです。設置場所の電源・搬入経路・ごみの行き先を先に確認する。代金の回収方法と未収時の負担を契約書で確かめる。解約予告と撤去費用を書面で取る。この3つが揃ってから、金額の比較に進んでください。

買う前に確かめること

  • 設置予定場所の電源・床の耐荷重・搬入経路の寸法を実測したか
  • 機器の消費電力と、電気代を誰が負担する契約かを確認したか
  • 容器などのごみが増えることをビル管理会社と清掃委託先に伝えたか
  • 代金の未収が出たときの負担区分が、契約書に書かれているか
  • 解約の予告期間、最低契約期間、撤去費用の負担者を書面で確認したか
  • 会社負担分の課税の扱いを顧問税理士に確認したか

候補になる分類

置き型社食サービス(冷蔵・冷凍什器の貸与つき)

目安:月額1万〜5万円程度+会社負担分

社員が20人以上いて、昼に外へ出にくい立地の会社に向きます。什器を借りる形になるため、最低契約期間と撤去費用の条項を先に確認してください。補充を業者が行うか社内で行うかで、総務の負担が大きく変わります。

これは申し込む形のサービスです。提携が決まりしだい、ここに申込先を載せます。

自販機の設置契約(飲料メーカー・運営会社との契約)

目安:設置費用無料〜、電気代は自社負担

総務の手間を増やしたくない会社に向きます。補充と集金を事業者が行うため、社内の作業はほぼ発生しません。会社側の負担は設置場所と電気代が中心で、電気代の負担区分を契約書で確かめることが必要です。

これは申し込む形のサービスです。提携が決まりしだい、ここに申込先を載せます。

追加設置用の小型冷凍庫・冷蔵ショーケース

目安:3万〜15万円程度

貸与される什器だけでは容量が足りない場合や、自前で小さく始めたい会社向けです。消費電力と設置寸法、搬入経路を先に測ってから選んでください。買い取りの場合は、将来の廃棄費用も見込んでおきます。

Amazonで「業務用 小型冷凍庫」を見る

共用スペース用の業務用電子レンジ

目安:2万〜8万円程度

冷凍の弁当や惣菜を置くなら、温める設備が要ります。昼の時間帯に人が集中するため、家庭用より出力と耐久性のある機種が無難です。設置場所の電源容量とアース、換気の条件を先に確認してください。

Amazonで「業務用 電子レンジ」を見る

よくある質問

無料で食べられるようにすると、税金の扱いはどうなりますか。

会社が全額を負担して無償で提供すると、現物給与として課税対象になる可能性があります。一般には従業員本人が半分以上を負担し、会社の負担が一定額以下であることが非課税の条件として示されています。金額の基準は改定されることがあるため、国税庁の公表資料と顧問税理士で確認してください。

現金の料金箱で、代金が合わないときはどうすればよいですか。

差額は一定の確率で発生するものとして、契約前に負担の扱いを決めておくのが現実的です。会社が月いくらまで補填するかを先に決め、社内に周知しておくと、犯人探しになりません。人数が多い、人目が少ない場所に置く、といった条件ならキャッシュレス決済のみにする選択もあります。

途中でやめたくなったら、すぐ解約できますか。

解約の予告期間が1か月前〜3か月前と定められていることが多く、最低契約期間が設定されている契約もあります。無償で借りている什器でも、期間内の解約で費用の請求が発生する場合があります。撤去の手配と費用をどちらが持つかも、契約書の該当条文で確かめてください。

利用者が少なかった場合、どうなりますか。

補充の頻度が下がる、品目が減る、業者側から契約の見直しを申し入れられる、といった形になることがあります。最低利用金額が定められている契約では、使わなくても下限額の支払いが残る場合があります。試験導入の期間を設けて、実際の利用率を見てから本契約に進むのが安全です。

← 記事の一覧にもどる