OFFICE CHOICEオフィスの選びかた

オフィスのごみ処理、総務が契約前に確かめる事業系ごみと産廃の線引き

2026-10-04 廃棄物処理オフィス環境継続契約総務の決裁

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オフィスのごみは、家庭のごみとは扱いが違います。会社から出たというだけで、自治体の集積所には出せないのが原則です。この記事を読むと、契約を何本結ぶ必要があるのか、見積もりの何を比べるのか、やめるときに何が起きるのかが決まります。単価の安さだけで選ぶと、容器の返却やスポット回収で後から費用が乗ります。移転や増員の前に一度読んでおくと、慌てずに済みます。

会社のごみは、自治体の集積所に出せないのが原則です

まず前提です。会社の事業活動から出たごみは「事業系廃棄物」として扱われます。家庭ごみ用の集積所に出すことは、多くの自治体で認められていません。社員が自宅のつもりで出してしまい、近隣や管理会社から指摘が入る、というのはよくある入口の事故です。

小規模な事務所でも例外ではありません。従業員が十数人でも、コピー用紙、弁当容器、ペットボトル、段ボールは毎日出ます。処理の方法は大きく三つです。許可業者と契約して回収してもらう、自治体の処理施設へ自分で持ち込む、一部を資源回収に回す。多くの会社は一つ目を選びます。

ここで押さえたいのが「排出事業者責任」という考え方です。ごみを出した会社自身が、適正に処理される最後まで責任を負うという原則です。業者に渡した時点で責任が消えるわけではありません。だから契約前に、相手が許可を持っているかを自分で確かめる必要があります。この一点を押さえておくと、以降の確認項目がすべてつながって見えてきます。

契約が2本に分かれる理由 ─ 一般廃棄物と産業廃棄物

オフィスのごみは、法律上おおまかに二つに分かれます。

  • 事業系一般廃棄物:紙くず、生ごみ、弁当がら、お茶がらなど。市区町村の許可を受けた業者が扱います。
  • 産業廃棄物:廃プラスチック類、金属くず、ガラス・陶磁器くず、机や椅子などの粗大なものなど。都道府県などの許可を受けた業者が扱います。

やっかいなのは、同じ「紙」でも業種によって区分が変わる場合があることです。印刷業や製本業など特定の業種から出る紙くずは産業廃棄物になる、といった決まりがあります。自社がどちらに当たるかは、自治体の窓口か業者に業種を伝えて確認するのが早道です。

実務上は、日常の生ごみ・紙ごみで1本、ペットボトルや廃プラ、不要になった備品で1本、と契約が分かれることがあります。1社がどちらの許可も持っていれば窓口は一つにまとまりますが、契約書は別々に結ぶのが通常です。稟議書に「契約は2本になる見込み」と先に書いておくと、後から追加決裁を取り直す手間が減ります。

ビルに入居しているなら、先に管理会社へ確認します

賃貸オフィスの場合、業者選びの前にやることがあります。管理会社やビルオーナーへの確認です。

ビルによっては、共用のごみ置き場を使う条件として回収業者が指定されています。この場合、相見積もりを取っても切り替えられません。逆に、ビル一括で契約していて賃料や共益費に含まれている場合もあります。自社で別契約を結ぶと二重払いになります。確認するのは次の点です。

  • 回収業者は指定か、自社で選べるか
  • 共益費にごみ処理費が含まれているか
  • ごみ置き場の場所、鍵の有無、使える時間帯
  • 分別のルールと、使える容器の種類やサイズ

置き場所は軽視されがちですが、ここで詰まります。収集が早朝で、ごみ置き場に鍵がかかっている。開錠できるのは出社の遅い総務だけ。結果として回収が飛ぶ、という形です。鍵の受け渡し方法と、誰が朝の運び出しをするかを決めてから契約してください。段ボールの保管場所も同時に決めておくと、通路に積み上がる事態を避けられます。

見積もりで比べるのは単価ではなく、回数と容器と追加費用

見積書は各社でフォーマットが違い、そのままでは比べられません。条件をそろえてから並べます。そろえる項目は次のとおりです。

  • 課金の方式(袋単位の従量制か、容器単位か、月額定額か)
  • 週あたりの回収回数と曜日、おおよその時間帯
  • 容器(ポリバケツ、カゴ台車など)が貸与か購入か、貸与なら月額がかかるか
  • 分別の指定(指定袋、社名の表示が必要か)
  • 祝日や年末年始の回収の扱い

カタログや初回の提案書に出てこない費用があります。たとえば、通常の回収では引き取れない量が出たときのスポット回収です。決算期の書類整理や席替えでまとめて出ると、別料金の臨時回収になります。粗大な机や椅子、金属のロッカーは日常回収の対象外で、その都度見積もりになるのが通常です。

また、燃料費や処分場の受け入れ料金の変動を理由に、契約期間の途中でも単価を改定できる条項が入っていることがあります。改定時に何日前の通知が必要か、通知を受けて納得できないときに解約できるかを、契約書の条文で確かめてください。

許可証とマニフェスト ─ 書類が残っていないと説明できません

契約前に必ずもらう書類が二つあります。一つは許可証の写しです。産業廃棄物なら収集運搬業と処分業の許可、事業系一般廃棄物なら市区町村の許可です。許可には有効期限があり、おおむね数年ごとに更新されます。期限切れの写しをファイルしたまま何年も経っている、というのはよく起きます。更新時期を総務の年間予定に入れて、新しい写しをもらう運用にしてください。

もう一つが、産業廃棄物を出すときの管理票、いわゆるマニフェストです。誰が、何を、どこへ運び、どう処分したかを追う伝票で、紙の複写式と電子版があります。排出した会社側にも控えの保管義務があり、法令上は数年間の保管が求められます。具体的な年数と対象は自社の区分で変わるため、業者か自治体に確認してください。

実務で困るのは保管場所と担当者です。伝票が担当者の机の引き出しに溜まり、その人が異動すると行方がわからなくなります。保管場所をキャビネットの定位置に決め、年度ごとにまとめる。電子マニフェストを使うなら、ログインできる人を最低二人にしておく。この二つで、あとから聞かれたときに説明できる状態が保てます。

やめるとき・移転するときに費用が出ます

継続契約は、始めるときより終えるときに詰まります。ごみの回収契約も同じです。確かめるのは次の点です。

  • 契約期間と自動更新の有無、解約予告は何か月前か
  • 貸与された容器の返却方法と、引き上げにかかる費用
  • 最終回収日と、新しい業者の初回回収日のあいだが空かないか
  • 未処理分の精算方法

容器の扱いは見落とされがちです。カゴ台車や大型のポリバケツを借りていた場合、解約時に引き上げ作業の費用がかかることがあります。破損や紛失があれば弁償を求められることもあります。借りた時点で数と状態を控えておくと、最後に揉めません。

オフィス移転のときはさらに注意が必要です。不要になった机、椅子、キャビネット、書庫は、まとめて出すと相当な量になり、通常契約の外になります。パソコンや一部の家電は別の法令の仕組みで処理するため、回収業者が引き取れないこともあります。移転の見積もりを取る段階で、廃棄分を別項目として出してもらってください。引越し代だけを稟議に乗せると、廃棄費用の追加決裁をあとから取る羽目になります。

で、どう進めるか ─ 稟議までの手順

順番を決めておけば、迷いません。

1. 現状を数えます。1週間、何袋出ているか、段ボールは何枚かをメモします。感覚ではなく実数があると、見積もりの精度が上がり、稟議の説明も通りやすくなります。2. 管理会社に、指定業者の有無と共益費の内訳を確認します。ここで自社契約が不要とわかることもあります。3. 自社の業種を伝え、一般廃棄物と産業廃棄物のどちらに何が当たるかを整理します。4. 条件をそろえて2〜3社から見積もりを取ります。回数、容器、スポット回収の単価、単価改定の条項を同じ表に並べます。5. 許可証の写しをもらい、有効期限を確認します。6. 稟議書には月額だけでなく、臨時回収と解約時の引き上げ費用の見込みを添えます。「年間でいくらか」で書くと、比較が伝わります。

契約後の最初の3か月で、分別ルールの社内掲示、ごみ置き場の鍵の運用、伝票の保管場所を決めます。ここまでやっておくと、担当者が替わっても回り続けます。

買う前に確かめること

  • ビルの指定業者の有無と、共益費にごみ処理費が含まれるかを管理会社に確認したか
  • 自社の業種で、紙くずや廃プラがどちらの区分になるかを整理したか
  • 回収回数・容器の貸与料・スポット回収の単価を同じ表で比較したか
  • 許可証の写しをもらい、有効期限と更新時期を控えたか
  • 解約予告の期間と、容器の引き上げにかかる費用を契約書で確認したか
  • ごみ置き場の鍵と朝の運び出しを、誰が担当するか決めたか

候補になる分類

事業系一般廃棄物の収集運搬契約(市区町村の許可業者)

目安:月額おおよそ数千円〜数万円(量と回数で変動)

弁当がら、生ごみ、紙くずなど日常のごみが中心の一般的なオフィスに向きます。自治体ごとに許可業者が決まっているため、まず所在地の自治体の一覧で候補を探すのが近道です。

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産業廃棄物の収集運搬・処分契約

目安:品目と量により都度見積もり

ペットボトルや梱包材などの廃プラスチック、金属くず、不要になった什器が定期的に出る会社に必要です。許可証の写しとマニフェストの運用まで含めて対応できる業者を選ぶと、書類の管理が楽になります。

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ビル管理会社経由の一括回収プラン

目安:共益費込み、または月額数千円〜

賃貸オフィスで、ごみ置き場や収集時間に制約がある場合の選択肢です。自社で業者を探す手間が省ける一方、単価の比較はしにくいため、共益費に含まれるのか別請求なのかを先に確認してください。

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オフィス移転・什器廃棄のスポット回収

目安:規模により数万円〜数十万円

移転や大規模な席替えで、机や書庫をまとめて処分する場合に使います。通常の定期回収では引き取れないため、移転スケジュールの段階で別見積もりとして押さえておくと、追加決裁を避けられます。

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よくある質問

少量なので、近所の集積所に出してはいけませんか。

事業活動から出たごみを家庭ごみの集積所に出すことは、多くの自治体で認められていません。量が少なくても扱いは同じです。小規模事業者向けの持ち込みや少量回収の仕組みがある自治体もあるので、所在地の窓口に自社の状況を伝えて確認してください。

今の業者をやめて安いところに替えたいのですが、注意点はありますか。

まず契約書で解約予告の期間と自動更新の有無を確認してください。貸与されている容器があれば、返却方法と引き上げ費用も先に聞いておきます。最終回収日と新業者の初回回収日が空かないよう、日程を重ねて調整すると安全です。

マニフェスト(管理票)は総務が保管するのですか。

排出した会社側に控えの保管が求められるため、社内で保管場所と担当を決める必要があります。総務が一括で持つ会社が多いですが、どの部署でも構いません。担当者の机ではなくキャビネットの定位置に置き、電子を使う場合はログインできる人を複数にしておくと引き継ぎで困りません。

段ボールや古紙は別に資源回収に出したほうが得ですか。

量が多ければ、古紙回収に分けることで日常の回収費を抑えられる場合があります。ただし保管スペースと、社員が分別を守れるかが前提です。機密書類が混ざるリスクもあるため、シュレッダーや溶解処理との線引きを先に決めてください。

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