補助金でホームページを作る前に ─ IT導入補助金では作れません
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この記事を読むと、「補助金でホームページを作る」という話が、社内で通る形になります。結論を先に申し上げます。ホームページの制作費そのものは、IT導入補助金では出ません。出るのは主に小規模事業者持続化補助金と、各自治体のデジタル化支援の補助金です。そして持続化補助金には、ウェブ関連費だけでは申請できないという決まりと、金額の上限があります。ここを知らずに制作会社と話を進めると、見積もりが出そろったころに「この内容では対象になりません」と分かります。順番を先に決めてください。
まず、IT導入補助金では作れません
「補助金でホームページ」と検索して最初に出てくるのがIT導入補助金なので、そこから入る方がとても多いです。ですが、IT導入補助金で補助されるのは、登録された事業者が提供するITツール(ソフトウェアの機能)の導入費用です。
- ホームページのデザイン費・制作費は対象外です
- ECサイトも、新しくEC機能を実装する場合に限られ、既存サイトのリニューアルは対象外とされています
- そもそも、IT導入支援事業者として登録されたツールでなければ申請できません
つまり「うちのホームページが古いので作り直したい」という話は、IT導入補助金の入口に立っていません。ここで数週間を使ってしまう会社が多いです。
制度の中身は年度ごとに変わります。上記は2026年8月時点で公表されている内容をもとにしています。申請の前に必ず公募要領の原文をご確認ください。
使えるのは、主にこの2つです
ホームページの制作費が対象になりうるのは、実務上この2つです。
- 小規模事業者持続化補助金(販路開拓のための取り組みに出るもの)
- 各都道府県・市区町村が独自に出しているデジタル化支援・販路開拓支援の補助金
後者は、金額は小さめでも競争相手が少ないという利点があります。全国向けの有名な制度より、自分の県の制度のほうが通りやすいことは珍しくありません。両方を同時に見てください。
なお、同じ費用に2つの補助金を重ねて使うことはできません。ただし費目を分ければ、同じ年度に複数の制度を使えることがあります。
持続化補助金には、2つの落とし穴があります
持続化補助金でホームページを作る場合、金額の設計でつまずく点が2つあります。
- ウェブサイト関連費だけでは申請できません。他の経費と組み合わせる必要があります。「ホームページを作り直したいだけ」という申請は、その形では通りません
- ウェブサイト関連費には金額の上限があります。第20回の公募(2026年5月以降)で、それまでの「補助金交付申請額の4分の1・最大50万円」から、申請額にかかわらず30万円(税込)という形に変わったとされています
この2つ目が効いてきます。100万円のホームページを作って全額が補助されるわけではありません。ウェブ関連として見てもらえる部分に上限があり、残りは自社の負担になります。
公募の回によってルールが変わる部分ですので、金額を社内に説明する前に、必ずその回の公募要領で数字をご確認ください。当サイトはこの数字を保証しません。
先に発注してはいけません
ここが一番の失敗どころです。多くの補助金は、交付決定の前に発注・契約・支払いをしたものを対象外にします。
「早めに動いておこう」と制作会社に発注してしまうと、あとから採択されても1円も出ません。すでに払ってしまったお金は戻りません。
申請の前にやってよいのは、見積もりを取るところまでです。発注は交付決定の通知を受け取ってからにしてください。
- 見積もりを取る(無料。この段階は問題ありません)
- 申請する
- 交付決定の通知を受け取る
- ここで初めて発注・契約する
この順番は制度ごとに細かい違いがありますので、その制度の公募要領でご確認ください。事前着手が認められる制度もありますが、届出が必要な場合がほとんどです。
お金は先に出ていきます
補助金は原則としてあと払いです。制作費を全額いったん支払い、完成して実績報告が通ってから、補助分が振り込まれます。
100万円のホームページで、補助が30万円だとします。この場合、
- まず100万円を制作会社に支払います
- 実績報告が通ってから、数ヶ月後に30万円が入ります
- その数ヶ月のあいだ、100万円が会社から出た状態です
最終的な自己負担は70万円ですが、一時的には100万円を用意する必要があります。ここを見落とすと、採択されたのに資金が回らないという状態になります。稟議には自己負担額だけでなく、立て替える期間と金額も書いてください。
見積もりで必ず確かめる4点
ホームページの見積もりは、金額の大小より中身の切り分けで差が出ます。補助金を使う場合はとくにそうです。
- 初期費用と月額費用が分けて書かれているか。補助の対象になるのはふつう初期費用の側で、月額の保守料は対象外です。ひとまとめの見積もりだと、対象額を出せません
- 作ったサイトの所有権が自社になるか。制作会社の独自システムに乗せる形だと、解約したときにサイトが手元に残りません
- ドメインとサーバーの契約名義が自社か。ここが制作会社名義だと、乗り換えのときに主導権を失います
- 補助金が不採択だったときに契約がどうなるか。「採択されたら発注」という前提を、見積もりの段階で文書にしておいてください
4つ目は、口頭の約束にしないでください。不採択のときに揉めるのは、たいていここです。
自分の会社がいま使える制度を調べる
国と自治体をあわせると、受付中の補助金は常時200件ほどあります。そのうち自社の地域と用途に合うものは、だいたい数件です。この数件を探すのに時間をかける必要はありません。
当サイトでは、デジタル庁が公開しているJグランツのデータから、中小企業が使える制度だけを毎朝取り直し、都道府県とやりたいことで絞り込めるようにしています。登録も入力も要りません。
- 補助金チェッカー(都道府県とやりたいことから探す)
- 補助金の締切一覧(1件ずつのページに、自己負担の目安と締切から逆算した段取りを載せています)
制度の名前が分かったら、必ず公式ページの公募要領を読んでください。当サイトは公式の内容を言い換えていません。言い換えて間違えるほうが、書かないより重いからです。
買う前に確かめること
- 使おうとしている制度で、ホームページの制作費が対象になるか公募要領で確認したか
- ウェブ関連費の上限額を、その回の公募要領の数字で確認したか
- ウェブ以外に組み合わせる経費(展示会、チラシなど)を決めたか
- 見積もりで初期費用と月額費用が分かれているか
- サイトの所有権・ドメイン・サーバーの名義が自社になるか確認したか
- 不採択だった場合の契約の扱いを、文書にしたか
- 交付決定の前に発注しない段取りになっているか
- 制作費の全額をいったん立て替えられるか、資金繰りを確認したか
候補になる分類
小規模事業者持続化補助金を使う(他の経費と組み合わせて申請)
目安:ウェブ関連費の上限は公募の回によって変わります(第20回は30万円・税込とされています)
ホームページの制作費が対象になりうる、いちばん現実的な制度です。ただしウェブ関連費だけでは申請できず、金額にも上限があります。他に予定している販路開拓の取り組み(展示会の出展、チラシの制作など)と組み合わせる前提で設計してください。
これは申し込む形のサービスです。申込先はこの記事の下にまとめています。
都道府県・市区町村のデジタル化支援補助金を使う
目安:制度により数十万円〜数百万円(多くは補助率2分の1〜3分の2)
金額は小さめでも、競争相手が少ないのが利点です。全国向けの有名な制度より通りやすいことがあります。自社の所在地の制度を必ず確認してください。当サイトの補助金チェッカーで、都道府県から絞り込めます。
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補助金の対象プランを持っている制作会社に見積もりを頼む
目安:見積もりは無料/制作費は30万円〜150万円が中心帯
補助金を使う前提の見積もりは、初期費用と月額の切り分け方が普通の見積もりと変わります。実績報告に必要な書類の形も決まっています。この2つを分かっている会社に頼むと、書類の差し戻しが減ります。見積もりを取ること自体は無料で、交付決定前でも問題ありません。
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申し込み先
下は広告です。ここから申し込まれると当サイトに紹介料が入りますが、お支払い額は変わりません。金額や条件は必ず申込先の公式ページでご確認ください。
よくある質問
IT導入補助金でホームページは本当に作れませんか。
ホームページのデザイン費・制作費は対象外です。補助されるのは、登録されたITツール(ソフトウェアの機能)の導入費用です。ECサイトについても、新しくEC機能を実装する場合に限られ、既存サイトのリニューアルは対象外とされています。制度は年度ごとに変わりますので、最新の公募要領でご確認ください。
ホームページの費用だけで持続化補助金に申請できますか。
できません。ウェブサイト関連費は単独では申請できず、他の経費と組み合わせる必要があります。また、ウェブ関連費として認められる金額には上限があります。
採択される前に制作を始めてもよいですか。
多くの制度では、交付決定の前に発注・契約・支払いをしたものは対象外になります。申請前にできるのは見積もりを取るところまでです。事前着手が認められる制度もありますが、届出が必要な場合がほとんどですので、公募要領でご確認ください。
補助金はいつ振り込まれますか。
原則としてあと払いです。制作費を全額支払い、完成して実績報告が通ってから振り込まれます。振り込みまで数ヶ月かかるのが普通ですので、その間の立て替え資金が必要です。
不採択だった場合、制作の契約はどうなりますか。
何も決めていなければ、契約は有効なまま残ります。「採択されたら発注する」という前提は、見積もりや発注書の段階で文書にしておいてください。口頭の約束にすると、不採択のときに揉めます。